トヨタは「昇圧」という手段を選んだ。鉄心に巻いたコイル(捲線)を接近させて置き、片側に電流を流し、切り、また流す……と繰り返すと、もう一方にはより高い電圧が発生する。この原理を使って二代目プリウスではセル数を168個、201.6ボルトにした電池から出る電圧を、最大500ボルトまで引き上げ、モーターの最大出力(思い切り加速を続けている状態で現れる速さ、と考えればよい)を初代・後期型の33psから50pcまで引き上げた。
[参考サイト]
ハイブリッドカーの中古車検索
goo-net.com/used/hybrid/hybrid.html
と書くと、良いことばかりのようだが、じつはそうとも言えない。電池から取り出した電力を一度溜めて放出、その電流の急変でコイルに高い電圧を発生させる。電気工学の専門家に言わせれば「電気工学を学び始めた時に習う基本的な回路(原理)のひとつ」なのだが、当然、モーターなど仕事をする所に電流を直接送り込むのに比べれば、このプロセスの中で電力が失われる。簡単に言えば、一部が熱に変わる。つまり「効率が落ちる」のである。モーターを大型化したり、その捲線を増やしたりしても、そこにロスが増えるし、この性能を得るためには効果的な手法……という論理もあるが、モーターに加える電圧を上げるためだけに、けっこうな損失を生む回路を追加する意味はあるのだろうか?もともとハイブリッドカーのハイブリッド動力システムは、燃料が持っている熱エネルギーを、自動車を使う中での「仕事」に変える効率をもっと高めるために−それがある局面に限られるにしても−、重量が増え、有効スペースが減ったとしても使う、ということではなかったのか。私としては、ずっとそういう疑問を抱いたままなのである。