なぜ海外投資がおこなわれるのか。その動機、理由の根本は、自分の国に投資するよりそのほうがもうかると、考えるからです。そのことは容易に推定できるでしょう。では、なぜそのほうがもうかるのか。ケースはさまざまですが、その主要なタイプについても、推定できます。ふつうは、つぎのように整理されています。『?資源・原材料立地型。資源や原材料の供給地に工場をつくったほうが、安く安定的に手に入れられるし、その輸送コストも安くすむ。?低賃金利用型。自国より安い賃金で労働者を使えるというメリット(利点)をねらうもの。中小企業をふくむ日本企業の東南アジア進出は、この動機によるものが多かったのですが、今回の円高で日本の賃金は世界一になってしまいましたから、欧米諸国への進出の動機が強まってきています。?市場志向型。日本の輸出は相手国の産業を追いつめて、しばしば「失業の輸出」と非難されています。そうした非難を避けたり、相手国に市場を開拓、拡大するための進出。?公害回避型。日本では公害規制のためにやりにくくなったことをするために、そうした規制の弱い発展途上国に工場を移すもの。日本にとっては公害回避でも進出先の国にとっては公害輸出型とよぶべきでしょう』。日本の海外投資は激増の一途をたどっています。投資摩擦が心配される段階です。
ブッシュ大統領の対外政策の基本は、外交の成果を雇用創出、国内経済の浮揚に結びつけることを目標として、自由貿易堅持、保護主義の防止、世界市場のいっそうの開放、またウルグアイ・ラウンドの推進などを柱としていました。これに対してクリントンは、国内経済回復つまりアメリカの競争力強化こそが、外交・内政共通の最優先の課題としています。この限りでは、クリントンのスタンスはアメリカ中心主義で、国際的視点を重視するグローバリズムの流れとは大きな隔たりがあるようにも思われます。しかしクリントンは、民主党の保守派に根強い保護主義論者ではなく、リベラルな考え方の持ち主です。選挙中のスピーチでも、はっきりと世界におけるアメリカの責任は遂行していくと言明しています。おそらくクリントンが、アメリカの伝統的な孤立主義をとり世界経済をブロック化の方向に進めることはない、と思います。クリントンはアメリカ経済の回復なしに、ブッシュのような“世界新秩序”構想を打出しても実効は期待できないといった判断から、国内経済の立直しを最優先課題としたのでしょう。しかし、他国の不公正な貿易慣行には、スーパー301条といった法律を復活・強化するなど、厳しい方針も打出している面も見逃せません。
日常のもっと身近な部分でも、法人化によって経費のアップが避けられないサービスや料金があります。代表的なのは、NTTの電話の基本料金でしょう。NTTの場合は、電話の基本料金(回線使用料)が個人向けの住宅用と法人向けの事務用とに大きく2つに分かれており、住宅用よりも事務用の方が約800円ほど高く設定されています。ISDN回線も同様に、やはり法人の方が割高な料金設定です。個人事業者の場合、たとえ事業で使っている電話であっても、住宅用の基本料金が適用されます。ところが、法人の場合は、割高な事務用の料金が必ず適用されてしまうのです。このため、個人事業を法人化すると、電話料金が以前より多くかかってしまうわけです。同様に、法人契約することで割高になるサービスの一つに、自動車保険があります。法人が自動車保険の契約者及び被保険者になると、その自動車は業務を目的として頻繁に使用される分、事故を起こすリスクも高くなると考えられることから、保険料も高く設定されるのでしょう。個人事業を法人化したというだけで自動車保険の保険料が高くなるのは、納得できない面もあります。しかし、これは仕方ありません。また、銀行のネットバンキング(=インターネットで銀行口座の照会や振込、税金の支払いなどができるサービス)も、法人契約の利用料金が高く設定されているケースがほとんどです。個人と法人では利用できるサービス内容は違いますが、大手都市銀行の場合、個人がほぼ無料なのに対して、法人契約では初期費用が無料から約5万円、月間の利用料金も1000円から2万円程度となっています。電話料金のように、個人利用との差額は僅かでも、こうした費用が積み重なると思わぬ負担になるものです。このような日常の経費アップは、法人化のデメリットと言えるでしょう。